【泣ける短編小説】「僕は・・・・・・。」

たみきち
たみきち

当時40代だったママから頂いた、ほっこりするエピソードです。

息子が小学校中学年のときのことです。

同じクラスにいた男の子のお友だちのお母さんに、仕事が忙しいらしく、学校行事などに参加する姿はほとんど見たことがないお母さんがいました。

数少ない機会に見た印象では、ご本人が美人なのはもちろんなのですが、いつもメイクばっちりで長いデザインネイルも割と派手めな方でした。

当時は私もフルタイムで仕事をしていました。

在宅ワークだったこともあり、仕事の他に炊事洗濯・家事育児で爪を伸ばす暇もありません。たまに自分でネイルをしてもすぐ痛んでしまうし、長すぎるとパソコンのタイピング作業もやりにくくなるのでお金をかけてまでネイルするようなことはなくなっていました。

そのころ仕事は忙しかったですが、それでも学校行事などにはなるべく参加し、子どもとも向き合えるようできるだけ時間を作っていました。

何かの折に息子と少し口ゲンカ

すねた息子が

「お母さんなんてブーブー文句ばっかりでブサイクだ!」と言うので、

「じゃあさあ、見た目美人じゃなくて最低限小ぎれいにしてるだけかもしれないけど、いつも構って遊んでくれて学校行事にも来てくれるお母さんと、いつもきれいでメイクもネイルもばっちりだけど運動会や授業参観にぜんぜん来られないお母さんと、どっちがいいわけ?」

と、ついつい聞いてしまいました。

言った直後に後悔

息子を困らせるような問いでしたし、どうせケンカの延長で「きれいなお母さんの方がいい」と言われるのも覚悟していました。半分皮肉というか自虐的というか、売り言葉に買い言葉というか、そんな風に投げかけた問いでした。

しかし、息子の返答に驚きます。

「僕は、僕のお母さんがいい!」

息子は、少し考えてから、そう言ったのです!
そんな回答はまったく予想していませんでした。

忙しい仕事も、家事も頑張って、おしゃれする時間もなくても、息子との時間を大切にしたくて、行事にはなるべく参加するように頑張ってきた努力が、

一瞬にして報われた。

それほどの破壊力を持つ一言でした。
今まで必死に頑張ってきたことを、何だかんだで息子はちゃんとわかってくれているのかな、と嬉しくて涙が流れました。

「おぉ・・・息子よ・・・」

嬉しくて抱きしめようとしましたが、全力で拒否されてしまいました。

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