【泣ける話】息子と先生からの贈り物

たみきち
たみきち

運動会の練習に張り切って励む息子さん。でも、本番の緊張感と保育園の雰囲気の違いに3歳の男の子が平常心を保つのはなかなか難しいもので…。

都内で会社員をしている34歳男性です。

家族は妻と二人の子供がいます。
今回は息子の保育園でのエピソードを紹介します。

初めての運動会

3年前、当時3歳だった息子は初めて保育園の運動会に参加しました。
当日に向けて、1か月以上前から自宅で張り切って練習を重ねていました。
行進、かけっこ、お遊戯、練習ではどれも上手にできていました。

運動会当日

しかし、迎えた当日は緊張のあまり、朝から心配そうな表情を浮かべていました。
ジャージに着替えるのもままならず、ずっと心配そうな表情を浮かべていました。
私は息子の小さな手を握りながら、「大丈夫だよ、頑張ろう」と囁きましたが、目には涙が浮かんでいました。

プレッシャー

保育園に着いてから、運動会が終わるまで、同じ年のクラスでただ一人泣きっぱなし。
練習した行進もかけっこも、お友達が立派に披露するなか、息子はただひとり、
担任の先生に抱っこされたまま、腕のなかから一度も離れることはありませんでした。
このことがよほど悔しかったのか、家に帰って涙が止まってからも、彼は運動会のことを話そうとしませんでした。

園での最後の運動会

3年後の昨年秋、年長になった息子は保育園最後の運動会を迎えました。
自宅で事前練習をしている姿には変わりありませんでしたが、
なにやら小さな紙をいつも大切そうに持ち歩いているのが、これまで違う点でした。

衝撃の開会式

開会式が滞りなく進行するなか、司会の先生が声を上げます。
「続きまして、選手宣誓 選手代表は前に出てきてください!」

そこで歩き始めたのは、なんと息子でした。
泣き虫だった息子は、時間を経て選手宣誓の代表選手に選ばれたのです。

溢れる涙

運動場に立つ息子の姿は、堂々としており、私たち家族にとっていままで見せたことのない凛々しい表情をしていました。。
3年前のあの子は打って変わって、緊張している様子はなく、自信に満ちていました。
息子はマイクを手に取り、選手宣誓を始めました。
「宣誓!ぼくたち、わたしたちは今日の運動会で精いっぱい競技や遊戯に取り組み、力いっぱい輝くことを誓います!」
彼の声は小さな体から力強く響き渡りました。
私は涙がこぼれるのを抑えることができませんでした。

実は担任の先生は、3年前の息子の姿を覚えており、成長の証として彼に選手宣誓を任せてくれたのでした。
かつて、誰よりも心細げで先生に縋り付いていた息子。いまは誰よりも胸をはって精一杯手を挙げながら宣誓をやり遂げるまでに成長しました。

大切なメダル

運動会が終わった後、担任の先生が私たちに近づいてきました。彼は息子に手作りのメダルを渡しました。
「いままでで一番立派な選手宣誓だったね。これは君への贈り物だ。」先生の言葉に、息子は目を輝かせました。
そして、3年前とはずいぶん大きくなって成長した体で先生に抱きついていました。もう涙はありませんでした。

家に帰ってから今日まで、息子はそのメダルを大切にしています。
運動会の前にずっと持ち歩いていた小さな紙、選手宣誓の原稿はくちゃくちゃになるまで読み込みましたが、捨てられずにいます。

息子と先生からの贈り物

担任の先生からの贈り物と、息子の成長した姿を目の当たりにしたあの日の光景は、いまも鮮明に焼き付いています。
きっとこれからも、すてきな瞬間として、残り続けるように思います。

この春から、息子は小学校に入学します。保育園最後の運動会で得た自信を胸に新しい舞台で飛躍をすること、
親としてはエールを送ることしかできませんが、これからも見守っていきたいと思います。

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